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私が、八ツ場ダム一連の騒動に思った、たったひとつのこと。
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ちょっとタイミングがズレた感もあるけど、それでもやっぱり書きたくて。

なんか、どうなんだろう。1200億円とか2600億円とか・・・想像も出来ないような金額が「意味のない(かもしれない)」ダムに遣われ、この先も工事を続けるなら、もひとつお金が掛かるという。
行っても地獄、戻っても地獄。みたいな状態・・・
どっちの政党が悪いとか、どの大臣が悪いとか、そういうのにもうんざりだ。
56年もの間、地元のためになると信じて立ち退いた人がどれだけいただろう、先の人生が変わった人だって少なくないはずだ。
いい加減にして欲しい。政治って何だろう。それだけの資金を投入する大仕事が、役に立つものかどうかも判らないのか、いやいや判っていても勧めちゃうだけの理由があるんでしょう。なんだそれ。

タイトルにした「私が、八ツ場ダム一連の騒動に思った、たったひとつのこと。」

それは、八ツ場ダムに関係した人には悪いけど、私の実家の立ち退きのことだ。
37年くらい前、私の父は家を建てた。もともと先祖のものだった土地を買い戻し、そこに家を建てた。私は6才だった。家を建てて2,3年して「家がバイパス道路に取られる」と聞いた。聞いたと言っても私は子どもで、そんなことを話している大人たちの話を聞いた。ということだけど。
その間、家を増築したり、修理したり、家に手を加えるときにはいつも「いつバイパスに取られるかもしれんのに」と家族でつぶやいていた。
10年くらい前、説明会が頻繁に行われるようになった頃、父は体を壊していて入退院を繰り返し、私が出席することも少なくなかった。
父は、「なんぼ“この家がええ”ゆうても国が決めたことじゃけん、もろうた金で今と一緒くらいの家が建ったらそれでええわ。」と言っていた。
バイパス工事の終点近くだった実家に金額を提示に来たのは、8年くらい前で国全体が「不景気」と言われ始めた頃だった。国土交通省の代理で市役所の担当者が家に来る。始めに提示された金額は声も出ないようなもので、「この金で土地を買い家を建て、引っ越し、今の家を転かして、更地にするのか。出来るはずがないじゃろう・・・」
工事が始まったのは、バブル全盛期だ。同じ工事でも始めに取りかかった地域には、土地の値段に相場の2倍近くが支払われたと聞いていた。「築20年以上の中古を買って住んでいたのに、いっぺんに長者になった。」という知人の話を複雑な思いで聞いていたことを思い出す。
そして、ウチの実家も余所様から「ようけもろうたんじゃろう?」「大儲けじゃね。」と言われだす。日ごろおつき合いのある人からの「妬み」を受けて、社交家の母も神経がずいぶんまいっていた。父は心労が重なり、思い悩み、眠れず、それから10日も経たないうちに突然息を引き取った。
新しい家はバリアフリーにしよう。「別荘地のようだ」とみんなが言ってくれる素晴らしい景色は見られなくても、やっぱり海は眺めたいね、お父ちゃん。
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↑実家から筆影山が見える。体調を崩してからの父は、部屋から双眼鏡でこの景色をよく眺めていた。
100年をとっくに越える大きな庭木が何本もあったけど、全部連れてはいけない。切った椿の切り株からは、何日も何日も止まらない涙のように水が溢れていた。
父が生前どうしても連れてきたいと願った、柊の老木だけを連れて行った。

金では到底まかなうことの出来ないものをみんな山ほど捨てて移るのだ。

墓参りに行くとき、必ず実家の跡を通る。
オレンジ色の金網で入口を塞がれ、その先に見えるのは土の塊と、雑草と、ショベルカー・・・何万回も昇って下りた階段のコンクリートの欠片さえ、もう無い。

後から判ったことだけど、初回の提示額というのは諸経費等の細かい計算が必要なものが入っておらず決定金額より幾分か少なめになっている。実際のところはもう少し多かったので、結局、土地の広さを以前の3分の2に減らしたり、立木の伐採と処分を親戚の男衆で行ったり、とにかくなんとか賄うことが出来た。

意味のない道路やダムのために退く人の気持ちは測り知ることが出来ない。

また、書かなければならないのは、立ち退く側の苦しみだけではない。国土交通省の代理として市の職員が交渉にあたっておられたが、父の葬儀には(おそらく)個人的においでくださり、契約の折りには数珠を持参され納骨前の父を参ってくださった。いろいろなところで立ち退き該当者に辛く当たられたことと思う。他に言って行くところがないのだ。大変な仕事だったに違いない。
その証拠に、実家の担当だった方はひどい発作で入院したと聞いた。

望むのは、ただただ望むのは、、

利用する人が「この道路が出来て、本当に便利になった。」と思ってくれること。

それ以外、救われない。

※かなり感情的になって書いています。後日、加筆修正するかもしれません。ごめんなさい。

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